• アートプリントとビッグフラワープリント

    2019.05.08 Wednesday

    毎回何かしらのプリントを作っていますが、この春夏はイタリアのコモ湖の近くにある
    アトリエさんの図案からインスピレーションを受けて描いてみました。

    シーズン前にプリントの柄を進める時は、そのシーズンのテーマやイメージに合ったものを捜して行きます。

    ヴィンテージの資料やアーティストの本、プリント屋さんが提案してくれる柄、
    ロンドン・パリ・ミラノ・NYなどに構えるプリントの工房(アトリエ)の柄など、シーズン前には200柄以上の柄を見ます。

    シーズンにより300柄くらい見てもピンと来る柄に巡り会わない事もあれば、
    最初の50柄くらいでイメージが固まって決めてしまう場合もあります。

    何となくのイメージが決まったら、図案を描く人と相談しながら色数やリピートを決めて行きます。

    以前は手捺染と言って、プリントの版を何版も作って柄と色の深みを出して行きましたが
    今はインクジェットというプリントの手法が多くなって色数も多色が簡単に使える様になり、
    リピートもかなり大きいリピートが出来る様になりました。

    カラーコピーの様に写真なども簡単にプリント出来るので良いのですが、
    ちょっとプリントがペタッとした深みの無い感じに上がります。

    やはり手捺染(人の手で刷る)の方がプリントに味がある(深みがある)仕上がりで私は好きなのですが、
    多色の色数を使って行くとかなり高いプリント代になるのがネックです。

    手捺染の職人さんの仕事を無くしたくないので、
    今回はインクジェット+手捺染というハイレベルな事をやってみました。

    インクジェットのプリントをした後に手捺染を刷るというのは、今までやった事がない新しい試みです。
    他のデザイナーさんのプリントでも余り見た事がありません。

    インクジェット+手捺染というのは柄を合わせてもズレて行くので
    職人さんもあまりやりたがらない手法です。

    最初が少しズレると23mある最後の方は、すごくズレズレになってしまっておかしな柄になってしまいます。
    ですので、まずは柄が少しズレても変に見えない柄にして、
    23mあるのを細かく切ってプリントするというとても面倒な事をやってもらいました。

    インクジェットのプリントの上に手捺染の顔料プリントを乗せる事でちょっと立体感も出ました。
    写真だと余り分かりずらいですが・・・・。
    このテクニックは来期も続けてやってみたい手法です。

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